宅建とは

宅建とは宅地建物取引主任者の通称です。
これはは国家資格になります。

土地や家屋の売買、交換あるいは貸借などをする際の契約までの間には、重要事項の説明をする必要があります。
契約者に対してこの重要事項を説明できる人が宅地建物取引主任者なのです。
逆にいうと不動産会社やハウジング会社で働いている人はこの宅建の資格を持っていなければ困るということになります。

そもそもこの宅地建物取引主任者を国家資格となったのは、1958年に建設省が制定したためです。
その目的は宅地や建物の公正な取引ができるように創設した資格です。
当初は宅地建物取引員という名前で今のものとは違っていました。
宅建の資格を取得した人は、登録を行っている都道府県知事より宅地建物主任者証を発行してもらわなければその業務を執行することはできません。

宅地建物取引主任者の仕事は、重要事項の説明だけではなく重要事項説明書に記名や押印をすること。
他にも契約書への記名や押印を行います。
これらの記名や押印は主任者証がなくてもできますが、重要事項の説明については宅地建物主任者証を持っていなければできないきまりとなっています。

この資格を生かして宅地建物取引業者を営業させようとするならば、事務所が所在する都道府県知事から免許をもらう必要があります。
事務所が2つ以上の県にまたがる場合は、国土交通大臣より免許を発行してもらうことになります。

設置義務

宅地建物取引業者の事務所は、国土交通省の決める場所毎に宅建の資格を持つ人の配置が必要で、それは事務所の規模や業務の内容などによって設置人数が決められます。
国土交通省令にて決められている数の成年者の専任の宅建を置かなければなりません。
このことは宅地建物取引業法という法律の第15条にも定められています。

設置人数の基準原則としては、事務所内にいる業務従事者5人に対して1人の割合で宅地建物取引主任者を置く必要があるとしています。
これはマンション内のモデルルームなどで契約を結ぶときに必要とする専任の宅建の設置人数は、業務従事者の人数関係なしに1人以上必要だとされています。

ここでいう国土交通省が示す「専任」というのは、宅地建物取引業を行っている事務所に所定の労働時間働いているつまり常勤していることを指しています。
宅地建物取引業に専ら従事している状態のことを言うそうです。
また本店の場合は、その場所において宅地建物取引業を実際に行っていないとしても、事務所としてみなされるので注意が必要です。
事務所とみなされれば、きちんと宅建を所定人数設置する必要もでてくるからです。

この業界で長く働いていきたいと考えている人はひとつでも多くの資格を持っていたほうが有利だと思います。
その中の一つとしてこの宅建も設置義務がある資格であるため、を持っていない人よりは有利に働くのではないでしょうか。

宅建試験

宅建は国家資格なので当然国家資格試験というものを受けて合格しなければ宅建の資格は取得できません。
この宅建は国家資格試験の中でも最大規模を誇る資格試験です。
受験者数の数は多く人気の資格となっているのです。
2006年では、受験者の人数は約20万人もいました。
一方宅建の国家資格試験は不景気の象徴とも言われており、不景気の昨今は受験者数も減ってきています。
1990年代のバブル期には受験者の人数は約34万人もいたそうです。

この宅建の資格は、不動産関係はもちろんのこと、金融関係やその他の業種にも持っていると便利な資格です。
そのため法律系の国家資格の登竜門的存在で人気があるようです。

宅建の国家資格試験は全都道府県に試験会場があります。
各都道府県知事が財団法人の不動産適正取引推進機構という指定試験機関に外部委託して実施しています。
宅建の受験資格は特になく、年齢や性別、学歴などの制限は一切ありません。
1994年までは高校を卒業していないとその受験資格は得られませんでしたが、今は何もありません。
試験は年に1回しか行われず、だいたい毎年10月の第3日曜日に行われています。
合否が分かるのは受験の約45日後です。
試験は2時間で行われ、問題は全部で50問あり、形式は四肢択一式で、解答はマークシートで行います。
試験会場は自分が住んでいる地区のある都道府県の試験会場が指定されます。

宅建試験の内容

問題は全部で50問です。
まずは土地の地積や形質について、および地目や種別についてです。
さらに建物についても形質や建物の構造についてまたその種別についても問われます。
また法的な問題として土地や建物に関する法的な権利や変動についての問題があります。
それに伴い土地や建物に関しての法令上の制限についても問われます。
他にも土地や建物にかかる税金に関係する法的な問題もあります。
法的な問題は多く他にも土地や建物の需給に関して実務問題やその法的な問題があります。
土地や建物の価格設定をする上で大事な価格評定に関する問題もあります。
そして何より宅建に一番関係のある宅地建物取引業法に関しての問題やこの法令に関係している同じような法律に関する問題もあります。

登録講習を実施している機関が行っている登録講習を既に受講している人に関しては、次のものが試験免除となります。
土地や建物の地積や種別、地目や形質、構造などの他に需給などの実務問題や法的な問題です。

参考にされる法令は全てその年の4月1日時点のものになります。

宅建の国家資格試験の過去10年の平均合格率は15%です。
合格率から合格基準点を設定していると考えられます。
よって問題が難しい年などは高得点を出す人が少ないために合格基準点が低くなり、反対に問題が易しい年は高得点がたくさんでるので合格基準点が高くなると考えられます。

有効期限

宅建の国家資格に合格してその後主任者証をもらうとそれには有効期限があります。
宅建として業務を行うためには、国家資格試験に合格しなければなりません。
そしてその後試験を行った都道府県知事からの資格登録を受ける必要があります。
同時に取引主任者証の交付も受ける必要があります。

宅建の資格登録を行うには宅建としての実務経験が2年以上必要となります。
しかしながら登録されている実務講習の実施期間が行っている登録実務講習を受けていれば2年以上の実務経験と同等以上の能力があると認めてもらえます。

取引主任者証は交付後の有効期限が5年と定められています。
5年経過するごとに法定講習や宅建の取引主任者証の書き換えをしなければなりません。
宅建として宅地建物取引主任者の資格登録だけして、取引主任者証の交付をされていないとその人は宅地建物取引主任者の資格者と呼ばれてしまいます。
宅建の資格登録については違法行為などをしない限りは一生有効です。
また宅建の国家資格試験に合格したという実績に関しても試験時に不正行為などをして取り消されない限りは、登録が削除されることがあったとしても一生有効となります。

このようにして宅地建物取引主任者として仕事をする場合には取引主任者証が必要でそれには有効期限があることをきちんと知っておかなければなりません。
うっかりして有効期限が切れてしまわないように、きちんと講習を受けて書き換えを行うようにしましょう。

全宅連

全国の宅建協会こと宅地建物取引業協会が集まって構成されているのが「全宅連」です。
全宅連の目的について紹介します。

宅建協会が集めってこの全宅連を構成しているその目的とは、宅建の業務自体が公共性や社会性を必要とされるものだからです。
宅地建物取引業者が取り扱っているものは、国民の生活においてはなくてはならない宅地や建物を供給することあるいは流通させることです。
重要な仕事だからこそこれらの宅建の仕事は適正に公正に運営される必要があります。
そしてこれらの宅建の業務が公正に運営されるために宅建に関係する法律の整備や行政体制を整備することが必要となるのです。

宅地建物取引業者自体が自分達の取り扱う業務の公共性や社会性を認識して業務を行うことも大切なことです。
そのために宅地建物取引業者が共に協力しあって努力して、宅建の業界全体の質向上と健全な発達をするためにこの全宅連を自主的な組織として設立したのです。
全国の都道府県に宅建協会を作り、その全国組織としてこの「全宅連」を作り活動を行っています。

全宅連の組織は各都道府県にある47の宅建協会を会員としており、会員に所属している構成員については現在11万社程存在しています。
不動産業界において最大規模の団体となっています。
この会員の所属構成員のほとんどが中小の不動産業者です。
これらの構成員が全国的に結束をはかり相互協力して成果をあげているのです。

宅建協会のメリット

宅建協会は、会員になっている宅建が相互協力して成り立っている組織です。
老後の安心のために全宅連では宅建など不動産業界で働いている人たちの福祉の向上を目指しています。

宅建協会に入会すると下記のようなメリットもあります。

○宅建では全国統一の厚生年金基金も設立されていて、宅建協会の会員業者ならばこの基金に加入することができます。

○全宅連が設立した全宅住宅ローンを利用することができます。
この会社は平成16年に設立された金融機関です。
住宅を購入する人にとって住宅ローンは不動産の取引に欠かせません。
住宅金融支援機構と提携していて「フラット35」を専門に取り扱っています。
長期ローン、固定金利、低利率で提供してくれます。
この「フラット35」は金利変動がないので、不景気になろうが好景気になろうが関係なく、安心して利用できます。
融資額も最高8,000万円までと高額融資が可能です。
保証料や繰上返済手数料が0円です。
当然住宅の質も安心できるものです。

この全宅住宅ローンを扱っていいのは宅建協会に入っている会員だけです。
このローンの取次ぎや相談の窓口を宅建協会の会員が行うことで、顧客に有利な住宅ローンを提供することができる制度です。

○全宅連のホームページから不動産関係の書類の様式をダウンロードできることが挙げられます。
不動産取引には多くの法的書類が必要となります。
例えば売買契約書や媒介契約書や賃貸借契約書、他には重要事項説明などの書式があります。

○各種出版物に関して、会員限定の特別価格で購入することができます。
売買契約書に関する解説書や重要事項の説明書やその解説書、税金に関する本、宅建業者用の個人情報保護法に関する本、マイホーム獲得のための本など不動産関係の本の最新版まで扱っています。
これらを会員限定価格で販売してくれます。

○全宅連では会員に向けてタイムリーな情報提供をするために「会報誌」を発行しています。
「リアルパートナー」という会報誌で1年に10回発行され提供されます。
この会報誌には不動産業界の動向に関する記事や関連する法律の改正情報、全宅連や全宅保証の動向についてなど宅建業務に役に立つ情報が盛りだくさんです。

○不動産業を始めようとするとき宅建業法において主となる事務所には1,000万円、従となる事務所には1事務所につき500万円法務局に供託するように義務付けされています。
しかし宅建協会に所属すると全宅保証協会に対して弁済業務の保証金分担金を預ければこの法務局への営業保証金が免除されるのです。
弁済業務の保証金分担金の場合は主となる事務所は60万円、従となる事務所には1事務所につき30万円預ければいいので開業の初期費用が大幅に軽減できるメリットがあります。
この全宅保証協会に入会するには宅建協会に属していることが条件となります。

○家財共済制度を利用して入居支援を受けることができます。
これは各都道府県にある宅建協会が民間の事業者と提携している賃貸管理物件に入る入居者やテナントにある家財や備品等に対して保障してもらえるものです。
この家財共済制度は宅建協会が管理しているものあるいは民間事業者と提携しているものに限ります。

宅建協会の便利な制度

不動産の売主、買主が共に消費者の場合で流通機構を使って不動産取引をしてその売買契約の効力がなくなった際に、効力がないのに買主が売主から手付金の返金をしてもらえない場合。
このような場合は全宅保証協会が変わりに買主に対して保証金を支払うというのが「手付金保証制度」です。
この制度のおかげで買主が保護されて、取引を媒介している宅建協会の会員業者も安心して業務が行えます。
また売主が宅建協会の会員業者で買主が消費者の場合に手付金を保全してくれるのが「手付金等保管制度」です。
これは手付金等を全宅保証が売主に代わって受け取って不動産物件の引渡しや所有権の移転手続きがすべて完了するまで保管しておいてくれる制度です。
売買契約をするとき手付金を支払いますがこの時点ではまだ不安定な状態なので、登記が完了するまで保全しようというものです。

宅建協会には不動産の無料相談窓口が設置されています。
不動産に関してわからないことは多々あり、不動産の購入を検討すれば専門家へ相談したいと思うことはたくさん出てくると思います。
このような消費者のため、あるいは宅建協会に属する会員業者のための相談窓口なのです。
ここでは専門家が法律に関する相談、税金に関する相談など無料で説明してくれます。

宅建協会の会員業者を守るために宅建主任者の賠償責任補償制度が設けられており宅建の会員業者のみが利用できます。
これは取引主任者が法律、宅建業法に基づいて行う業務によって顧客から請求された損害賠償請求を取引主任者本人が負担する損害賠償金、その他裁判費用などを補償してくれる制度です。
この場合の引き受けする保険会社については損害保険ジャパンとなっています。

全宅連では人材育成にも力を入れています。
提携している大学に宅建協会の会員業者や子弟を推薦してくれる「提携大学企業推薦制度」を行っています。
このようにして多くの人材を育てて卒業生を不動産業界に送り出しているのです。

さらに研修制度も充実しています。
会員業者に法律や税金などに関する研修を実施しています。
宅建協会に新規入会した会員向けには「不動産の総合コース」を実施して、会員には「全宅連実務セミナー」を実施しています。
講師は弁護士や税理士などでその方面の専門家が行います。
業務上必要な知識を得ることができる貴重な機会となります。

全宅連のネットワーク

宅建協会に加入する何よりのメリットは、会員業者間で交流をはかり情報交換をできるということです。

不動産業者の80%以上が加入するほどの巨大組織なので、宅建協会に加入すると全国にネットワークを持つことができます。
宅建協会は全宅連の傘下にある組織です。
47都道府県すべてに存在し、日本にある全不動産業者13万社のうち11万社が加盟しています。
そのため情報量がとても豊富で、日本国内のすみずみにまでネットワークを広げてスケールの大きな仕事ができます。
このスケールは不動産関係の仕事を行う上で大きなメリットとなります。

その他の宅建協会のメリットとして、不動産の流通機構が運営しているシステムの「レインズ」が利用できます。
流通機構の中でのサーバーや会員業者のパソコンなどを結んで、ネットワークの中でリアルタイムに物件検索や登録ができます。
宅建協会の会員業者同士の情報交換が瞬時に行えるのです。
これにより早期の売買契約を実現することができます。

全宅連が運営しているオンラインサイトの「ハトマーク」。
これは宅建協会に所属している宅建業者が持っている物件情報のインターネットサイトを統合したものです。
平成15年に開設された物件検索サイトです。
不動産業界の団体としてはサイトの規模やアクセス数も最大の規模を誇りNO.1サイトとなっています。
このようにして物件検索サイトはいくつかありますが、日本全国を全て網羅しているのはこの「ハトマーク」だけです。
宅建業者にとってこのハトマークのサイトは営業上大きな武器となります。
これを利用できるだけでも宅建協会に所属する大きなメリットと言えると思います。

もうひとつこのハトマークのサイトで公開した物件情報に関しては、自動的に「不動産ジャパン」というサイトでも公開されます。
「不動産ジャパン」とは、全宅連を始めとする不動産流通4団体が持っている不動産情報を一気に検索できるインターネットサイトです。
流通4団体とは、全宅連の他に不動産流通経営協会や全日本不動産協会そして日本住宅建設産業協会を指しています。
全国にある不動産業者の大多数である約14万社が加入している大きな団体です。
このサイトは、安心して不動産を取引できるようにサポートするために作られました。
全宅連は「ハトマーク」、不動産流通経営協会は「ホームナビ」、全日本不動産協会は「ゼネット」、日本住宅建設産業協会は「日住協.ネット」です。
この4つのサイトが統合されていて全ての情報が検索できます。

賃貸不動産管理業協会

平成13年に全宅連が母体として設立した「賃貸不動産管理業協会」という団体があります。
賃貸不動産における管理業務はこれから今まで以上に重要になる業務です。
しかし現在、賃貸の不動産管理業務についてきちんと法律が整備されていません。
さらに不動産管理業務はとても広範囲に及びます。
そのため明確に報酬を得ることができるようにその業務の確立を急いでいる段階です。
その一つとしてこの賃貸不動産管理業協会が作られました。
ここでは不動産関係の情報提供を行ったり、研修を実施したり、業務をサポートできるツールを提供したりしています。
宅建協会の会員業者の場合は、この賃貸不動産管理業協会に別途会費を支払えば入会することができます。

全宅連では賃貸不動産管理業務の専門家育成に努めています。
賃貸不動産の管理業務は公共性や社会性が必要となるのでとても重要な仕事です。
テナントへの入居者や所有者や管理業者の誰にも偏りがなく公平な立場で業務を遂行できるプロの育成を目指しているのです。
そのため賃貸不動産管理業務に必要な資格や研修制度について全宅連が業界統一資格を作り上げました。
それが「賃貸不動産経営管理士」です。